たい積場の形状
たい積場の建設過程をシンプルに表現すると、廃さいを処分するための器(うつわ)を造りながら、並行してその器の中に鉱さい(廃さい)を堆積していきます。そのため、閉山した時点での形状がほぼ最終形状となります。
この器と堆積物、幾つかの排水路を含めた全体がたい積場になります。
器の形状は、操業計画や設置場所の地形など諸条件によって合理的に設計され、同じものはありません。
代表的な形状は、「堰き止めるタイプ」と「囲い込むタイプ」に分かれます。
下図のように谷(沢)地形をかん止堤で堰き止めて、その上流に鉱さいを堆積するものと、平坦地の4方をかん止堤で囲い込み、その内側に鉱さいを堆積するなどの形状があります。
堰き止めるタイプは比較的規模が大きく、囲い込むタイプは規模の小さいものが多いようです。
それ以外にも山の斜面などを利用して、3方ないし2方をかん止堤で囲い込んだり、積み上げたり、張り付けたりなど、多様な形状のたい積場があります。
かん止堤の築堤材料は、経済性を考慮して現地調達できる材料を優先することが多く、その鉱山によって事情が違います。一般的には土、石塊・ズリ、鉱さい、コンクリートなどの単体又は混成で築堤されています。
また、鉱山の規模が大きくなると必然的にたい積場の規模も大きくなるか、又はたい積場の数が増えます。
規模の大きな鉱山では、鉱さいの堆積(盛土)高さが100mを超えるたい積場もあります。