かん止堤の築堤方法
かん止堤の築堤方法は、「内盛式」と「外盛式」に大別(下図参照)されます。しかし、その築堤順序に大きな違いはありません。
内盛式と外盛式の違いは、かん止堤を内側に向かって築堤する方法が内盛式、かん止堤を外側に向かって築堤する方法が外盛式になります。
築堤の最初にかん止堤の基礎となる基礎堤①を築堤した後、鉱さい(廃さい)の堆積②が開始されます。
堆積②が開始されるとかん止堤は更なる築堤③を行い堆積④に備えます。
この繰り返しを逐次行いながらかん止堤を最終計画形状⑨に仕上げた時点で築堤を完了し、堆積できる容量は⑩のみとなります。
但し、内盛式はスライムのせん断強度不足による地震時の崩壊リスクがあるため、近年必要に応じて対策が講じられており、新たな内盛式の築堤は基本的に認められていません。
これ以外の築堤方法として、センターライン式という築堤方法もありますが、これは堤軸を内側・外側に移動させずに真上に築堤していく方法になります。また混成式として、最初は外盛式で築堤したが、もう少し堆積容量を確保したい場合などに、少しだけ天端部分を内盛式に築堤したかん止堤もあります。